精神科医は医者じゃないです[白衣を着た売人です]

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人生の悩みがアルコールで解決する人もいる?

かこさんのページを読んでいて
コメント欄に「精神薬が効果がある」と主張される方がおられました。

早期介入実験――三重県津市の例|精神医療の真実 聞かせてください、あなたの体験
http://ameblo.jp/momo-kako/entry-11045999083.html#cbox
コメント欄です。

心から信じていらっしゃるコメントだと思います。
精神医療推進派の方が捏造した意見ではないでしょう。

精神科にかかったこと、そして、精神薬に、実際に効果があった、と感じてらっしゃるのは間違いないと思います。


そうすると
『精神医療の薬物治療が悪』
と、言うことが嘘で、精神医学も必要なんじゃないか。
そう思われる方もいるかもしれません。

真実を見抜く事は知識を得ておかないと難しいものです。

このブログをスタートしたときに、何度か書きましたが改めて書いておきます。

精神薬の作用と似た作用を持つ薬物で考えると、簡単に答えが見えてくると思います。

そう。それは、タイトルにあるとおりアルコール。

たばこも依存性がありますが、作用がちょっと違う様子なので、類似性の高い依存性のあるアルコールで見てみましょう。

アルコールも一種の『依存薬物』であることは皆さんご存じですか?

人類はアルコールと数千年にわたってのおつきあいがありますから、
そんな危険じゃないものだと見なしてかまわないと思います。

私も、以前はガブガブ飲んでましたし、いまもたまには飲みます。
でも『薬物』『依存』の仲間ではあります。
別にアルコールまで「麻薬だ覚醒剤だ!」なんて主張はしませんよ。
そんなのはあほらしい話です。ほどほどに控えたいものですよね。お酒。


さて、お酒の場合はにおいが強烈に残ってしまうので
お酒を飲んで仕事には出られないということは、社会一般の共通認識ですよね。

実際の所、お酒を飲んでいて仕事する人が
仕事を素早く効率的に明晰にかっこよく出来るわけもありません。

お酒を飲んでいる人は
「俺はすごく仕事が出来るんだ!」
とか、
「少ししか飲んでないから、運転くらいできますよー」

と、いくら本人が強気であっても、
実際は、運転が出来ない状態かもしれません。
もちろん運転くらいは平気なレベルの場合もあるかもしれませんが
やはり事故が多発するために、法律で禁止されているのは、皆さんご存じの通り。


アルコールによっぱらっている状態の自己評価している自分の能力や認識とは
外から見ている振る舞いというのは異なってきます。

外から見ている振る舞いが一見普通であっても
判断力や思考力が、アルコールがない場合と比べてやはり薬物で劣った状態になっているわけです。

そして本人は言うわけですよ。

「仕事がつらいから、酒でも飲まないとやってらんねーー!」


特に酒に依存している人はよくそのような言葉を言いますよね。

では、社会はその人の仕事がつらいからといってその人に対して
酒に酔って仕事をする権利を認めて免許など発行するのでしょうか。

ありえませんよね。そんなこと。


特定の認定された人は、ある特定の障害で
その障害の治療にはアルコールが必要だから、その障害者は
『アルコールを飲んでも運転してよい特別な免許』

そんなものが発行される...わけがありません。


アルコールも脳に作用する依存性薬物の一種です。
ですが、飲めば飲むほどにおいも残るし身体の反応も激しく
飲み過ぎると吐くという身体的な限界も現れるし、結構素早く体外に排出されます。


で、向精神薬全般に言える事ですが、
向精神薬も依存性薬物です。
そしてこちらの依存性薬物の場合は、飲めば飲む程に、においは出ません。
身体の反応は激しくでません。(顔が紅潮したりしない)
飲み過ぎて吐くという身体の限界反応も出ません。飲料じゃなくて錠剤です。
アルコールのように素早く体外に排出はされないようです。

周りからみても、アルコールは飲んだらすぐわかりますが
向精神薬を飲んでいる事はすぐにはわかるようにはなっていません。


アルコールでストレスを発散している人は
あたり前のように「仕事でストレスがたまるから仕方ない」と言いますよね。
当たり前ですし、その事を否定などしません。
夜に少し飲むなら、普通の事です。


でもそれが重度のアルコールに依存している方は
「俺の人生は辛いことばかりだから、アルコールが俺の人生に必要な治療薬だ」
などというかもしれません。

社会的に誰も認めないと思いますが、本人はそう主張したくなるでしょう。


向精神薬が『私には治療効果があった』とする、患者本人の発言はこのような内容から成り立っています。

特に現在も向精神薬を積極的に取っている人にはこのような傾向がある程度は必ずあります。


この問題。
向精神薬の依存薬物ビジネスの撲滅させようとする際にぶつかる問題。
いかに難しいか知るために、アルコールの作用を常に意識しておくとよいと思います。

知識のある方、頭のいい方に理解して欲しいのは
現在薬物をとっている方の「向精神薬に効果がある」という意見を鵜呑みにして
「精神科の薬物治療には効果がある可能性がある」
と結論づけることです。
その裏には、依存薬物がどのように心身に影響があるかを、よく知らなければいけません。

仕事が苦しい、人生が苦しい、自分を攻撃してくる人が側にいるから苦しい。
それがアルコールで完全に解決する場合があると思いますか?

残念な事ですが、アルコールは仕事をやってくれませんし、アルコールは人生の問題を解決してくれませんし、アルコールはあなたを攻撃してくる人を側によせないようにしてくれたりはしません。

瞬間的な、ごくごく瞬間的な逃避にしかならないですし
そのアルコールが累積することでの身体へのダメージがたまります。

ましてや、向精神薬はアルコールの比ではない危険性に満ちあふれた依存薬物です。


「俺の人生は辛いことばかりだから、アルコールが俺の人生に必要な治療薬だ」
と、主張している方を責めたりしたいわけでもありませんので、その方の主張を反論したりはしません。
その方にはそれが本当の事だと思えているわけです。

でも、それが本当の本当に正しい事を言い表しているわけではない。私はそのように思っています。